地域の人が使う施設を、地域の人と材と工夫で建てる。
平成22年に施工された「公共建物等における木材の利用促進に関する法律」をはじめ、地域において木造化の流れは近年ますます強くなっています。
「木造」は究極の地域循環であると考えます。国産材を含め広義な意味での地域産木材は多くの時間を要して地域の人と、気候風土によって育まれます。伐採され、製材された木材が、林業や家づくりに取り組む職人や工務店など「顔の見える人」の手によって建築され、木造施設となります。まちに暮らすたくさんの人に愛情を持って利用される中、施設は地域の美しい風景を形成していくはずです。
「木造」は多くの時間と手間と愛情によって地域を循環していく。だからこそ、社会性と公共性を持った地域の施設建築物は木造であるべきだと考えます。その土地の気候風土や文化を理解したつくり手たちが、知恵と工夫をもって木造施設建築物に携わることの大切さは言うまでもありません。
施設を木造でつくる「6つの強み」
1.木造のコストメリット
RC造・S造の価格高騰(資材費や施工費の値上がり)、地盤改良の費用などを考慮すると、木造のほうがコストを抑えられるケースが多くあります。
2.減価償却期間を短く
店舗の場合の減価償却資産の耐用年数は、RC造39年に比べ木造22年と短いため、資産税対策になります。
3.木のリラックス効果
木材の調湿性や、木の香りによる、リラックス効果があります。赤ちゃんからシニア世代まで、様々な年代のお客様が安心してくつろげる空間です。
4.営繕修繕のしやすさ
木造はRC造と比べて構造がシンプルで、特殊な工法を用いない限り、営繕修繕はより容易。永く使い続けられるロングライフデザインです。
5.従業員の満足度向上
木造・木質化の空間では就業環境が向上し、働く従業員の満足度が向上します。また、採用率や定着率のアップにもつながります。
6.地域の誇りと愛着
地域の木材で地域の大工が建て、地域の人が使う……という循環が生まれます。資源の活用は環境配慮にもつながり、誇りと愛着を育みます。