相羽建設は2020年に創業50周年を迎えました。本社リノベーションは50年の節目であるタイミングに、自分たちの手で働く場所を変えていこうとはじまったプロジェクトです。家具デザイナーの小泉誠さんにご相談し、構想から約2年間かけてついに完成に至りました。
「言行一致」「働き方改革」「体験する」という3つをプロジェクトの目的として掲げ、3階建ての社屋のそれぞれの空間に表現。毎日の仕事場だからこそ、機能や用途、働き方に合わせて細やかな空間設計を行い、職人さんの持っている技術を駆使して、相羽建設の象徴として誇りの持てるようなショールームとしての機能を兼ね備えた空間となりました。
“集中・交流・共有”3つの環境が空間の核に
小泉誠さんと設計スタッフでプランを練っていく中で、空間の核として「集中」「交流」「共有」というコンセプトを考えました。設計をしたり、お客様のモデルルームの来場手配をしたりなど、それぞれが集中して仕事ができるように2階にワークスペースを構成。1階のキッチンや卓球台としての役割を持つテーブルではお昼ご飯を作ったり、食べたり。2階のホールも含めて、スタッフだけでなくお客様との打ち合わせに使用することもできます。
新しい働き方を目指した工務店の仕事場
働き方が多様化する時代に、工務店としてどんな提案ができるだろう?と、取り入れたのがABW(Activity Based Working)とフリーアドレスいうスタイル。
社内のデスクは個人用に限定せず、フリーで使えるものになりました。
開かれた雰囲気の席、部屋の角でありながら南向きでたっぷりと自然光の入る席、照明をデスク上や手元に絞ることで、落ち着いた雰囲気のグッと集中できる席など、その日の仕事や気分に合わせて働く場を選ぶことができます。
シーンによって選べる3つの「間」
3階には、紙の間・土の間・木の間という3つのミーティングルームを設けました。紙の間はもともと会長室で2面に開口のある明るい空間です。大切な契約など、紙を扱う部屋として、天井と壁に月桃紙を貼り、大きな障子が部屋の柔らかい雰囲気を演出しています。土の間は社員が全員集まることのできる広い部屋で、朝礼を行ったり全社員会議を行ったりと、相羽建設の土台を作り、耕していくための部屋となっています。木の間は3つの間の中では1番コンパクトな空間ですが、壁と天井に唐松を使った木に包まれていた部屋です。ここは、オンライン配信やオンラインミーティングのスタジオとして使用したり、レーザー加工機を用いて工房としても活用しています。
- 施工会社
- 相羽建設株式会社
- 竣 工
- 2021年7月
- 意匠設計
- 小泉誠+Koizumi Studio+相羽建設株式会社
- 敷地面積
- 232.66㎡
- 建築面積
- 156.51㎡
- 延床面積
- 409.75㎡
- 建物概要
- 鉄骨造
- 照明計画
- タケデン
- 家具計画
- こいずみ道具店
- 家具
- わざわ座「大工の手」 若葉家具 登米森林組合
- 造園
- KOBAYASHI KENJI ATELIER 小林賢二
- 彫刻
- 北川陽史
- WEBサイト
- https://aibaeco.co.jp/