東京都小金井市と小平市の境、都内とは思えないほど緑豊かで広大な敷地に建つ児童養護施設『東京サレジオ学園』をご紹介します。
相羽建設で建築施工を担ったのは、新設された『小金井管理棟』。
児童養護施設小規模化が国の政策として打ち出されている中で補助を充実させるため、小平市と小金井市それぞれの施設に分けて運営できるよう設備を整えました。
副園長の松浦さんは「管理棟は施設の中でも、子ども達の生活の場であり、心のケアの場として活用されている場所です。事務室やオフィスとしての機能も必要な反面、事務的になりすぎないでほしいという要望を取り入れてもらいました。子どもたちはトラブルがあると事務所に来ることが多いので、木造のあたたかみのある自然素材の質感は心の安定を支える要素になりますね」と語ります。
木造にこだわった理由は他にも、一般流通の建材を使用して修繕や改修が可能なこと。
今後何十年と施設を運営していくなかで、制度や社会的ニーズに合わせて間取りの変更や設備の更新をしやすいことが挙げられます。
もう一つ松浦さんや職員の皆さんが大切にしたことは、サレジオらしい風景を残すことでした。
「子ども達が卒業した後も遊びに帰ってくることがあります。建物は新しくなったけれどサレジオだなと感じてもらえるような、以前の建物との親和性があるデザインをお願いしました」と松浦さん。
今現在施設で暮らしす子ども達はもちろん、東京サレジオ学園で育った全ての人の心に寄り添う取り組みや、その想いをサポートするための建築をご紹介します。